土屋先生は、1946年岐阜県養老町に生まれました。
父で日本画家の故 土屋輝雄に厳格な絵の手ほどきと影響を受け、武蔵野美術大学では多士済済な教授陣の指導を仰ぎ、大学卒業後は同郷の画家、故 加藤栄三・東一兄弟に師事、日展を舞台に早くから頭角を現していきます。
現在は日本藝術院会員、日展常務理事となり、戦後世代の中核作家として画壇の大きな期待を担っておられます。
人物から風景へと作品の主題は変遷していきますが、対象の深奥にある真実を追い求め、1998 年、岐阜県瑞龍寺本堂に代表作となる『瑞龍図』『蒼龍図』など27面の障壁画を揮毫してからは、本格的に墨と取り組むことになります。
土屋作品において墨は、紙の上を流れ溜まりながら時間を経て濃淡の景色をつくり、その変化が描くべきモティーフを呼び寄せます。
画面に施された墨・岩絵具は、やがて自ら血が通うように、自然とー体化し、大気を動かし、人間の原風景を出現させます。
今展では、漆黒の地中や天空で息を潜める龍、幽玄な異次元世界に泳ぐ龍魚(アロワナ)、淡く光彩を発しながら移ろいゆく雲、大地に根ざした強さの中にも命への慈しみを感じさせる桜や椿など、大作から小品までを一堂に展観いたします。
ー行雲流水ー土屋 禮ー展
期間:5月16日(水)~22日(火)
場所:6階 美術画廊
※最終日は午後4時閉場
日本橋高島屋
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