我が国には、世界に卓絶する工芸の伝統があります。伝統は、生きて流れているもので、永遠にかわらない本質をもちながら、一瞬もとどまることのないのが本来の姿であります。伝統工芸は、単に古いものを模倣し、従来の技法を墨守することではありません。伝統こそ工芸の基礎になるもので、これをしっかりと把握し、父祖から受けついだ優れた技術を一層錬磨するとともに、今日の生活に即した新しいものを築き上げることが、我々に課せられた責務であると信じます。
昭和25年、文化財保護法が施行され、歴史上、若しくは芸術上特に価値の高い工芸技術を、国として保護育成することになりました。私どもは、その趣旨にそって、昭和29年以来陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門にわたり、各作家の作品を厳重鑑査し、入選作品によって日本伝統工芸展を開催してきました。
このたび、第59回展(平成24年度)を開催し、広く人々の御清鑑を仰ぎ、我が国工芸技術の健全な発展に寄与しようとするものであります。
第59回 日本伝統工芸展
9月19日~10月1日
本館7階ギャラリー
日本橋三越本店
東京都中央区日本橋室町1-4-1
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