20世紀後半、フランスで抒情溢れる作品を制作した銅版画家、南桂子(1911-2004)の生誕110年記念展が開催中です。
南桂子は、富山県高岡市に生まれ、高等女学校時代から絵画や詩作に親しみました。戦後、東京に出て油彩画を発表する中で、後に20世紀を代表する銅版画家となる浜口陽三と出会い、銅版画の魅力を知ります。1953年にフランスへ旅立ち、現地で版画を学んだ後は、鳥、お城、女の子など童話のようなモチーフと、静かな色合いの作品を制作し続けました。作品はユニセフやニューヨーク近代美術館のクリスマスカードに採用され、今もなお世界中の人々に愛され続けています。
本展は南桂子の作品を初期から晩年まで、銅版画を中心に約50点(前後期で展示替えあり)、浜口陽三の作品10点の構成です。このほか、南桂子が集めたアクセサリーの数々を紹介します。透き通った石のネックレスや不思議な形のブローチは、ひとつひとつが個性に溢れ、作家の感性を映しています。
広い空を飛ぶ蝶や鳥は、異国の地で作品を生み出し続けた作家自身を連想させます。現代の人々に心地よく寄り添い続ける線や色をゆっくりとご鑑賞ください。
南桂子について
南桂子は、1911年富山県に生まれました。高等女学校在学中から絵画制作に興味を持ち、
詩作を試みたり、壺井栄に師事し童話を学ぶなど多方面の創作活動に手を染めますが、
浜口陽三との出会いにより銅版画の世界に目を開かされます。
1953年渡仏すると、翌年から版画家フリードランデルの版画研究所で本格的に銅版画を学び、
以後、版画の制作活動の場を国際的に広げました。
少女・鳥・樹木などを題材にした叙情的で繊細な「銅版詩」を描く作家として知られ、
メルヘン的な趣をたたえた作品は、ユニセフの発行物にも採用され、現在でも世界中の人々に愛されています。
展覧会『南桂子生誕110年記念 蝶の行方 展』ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで。
エッチング銅版画の人気作家展。南桂子はあちこちに作品があるけど、今回は入口のご挨拶が谷川俊太郎だったし、詩集の挿絵に使われた作品が紹介されてた。小さいけど雰囲気いい美術館。開けてくれててありがとう! pic.twitter.com/1PyXLH2h89— マサル☆ (@masarutak) May 25, 2021
「蝶の行方」ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 淡くノスタルジックな南桂子の作品と、浜口陽三の作品が少し。谷川俊太郎の詩も。展示されていたアクセサリーは中々個性的で素敵。 pic.twitter.com/XB9bijVug4
— 飴屋📚 (@ao_uta7) June 3, 2021
#ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション にて #蝶の行方展 は南桂子生誕110年記念展。初期の油彩2点を含め50点程、浜口陽三も10点飾られている。更に南の集めたアクセサリー類も多数展示されている。谷口俊太郎の朗読映像も。
南の少女にずっと気になっていたのが谷口の「運命を知ってる」で腑に落ちた pic.twitter.com/bniU9kI4wF— ぐるフラ (@gurufurafura) April 11, 2021
おはようございます☺️#南桂子 #蝶の行方展 で紹介されていた谷川俊太郎さんの詩「そして日々が ー南桂子さんにー」も作品同様印象的でした🦋
一枚の絵のなかには
無数の決断がある
静かな
目に見えぬ決断が
(中略)
そして日々は過ぎてゆく
そして日々が
一枚の絵のなかでも
決してとどまることなく pic.twitter.com/I0wO3b85w5— おどるきつね (@DancingFox0602) April 22, 2021
南桂子生誕110年記念展「蝶の行方」展 概要
イベント名 | 南桂子生誕110年記念展「蝶の行方」展 |
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開催期間 | 前期:4月10日(土)-6月6日(日) 後期:6月12日(土)-8月9日(月・振休) |
最寄り駅 | 水天宮前駅 / 人形町駅 |
会場 | ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション 東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7 半蔵門線 水天宮前駅3番出口 徒歩1分、日比谷線 人形町駅A2出口 徒歩8分 |
主催 | ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション |
オフィシャル サイト |
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